しみじみPS3を買ってよかった!と思わせる傑作です。
コンセプトに「サクラ大戦」と通じるものもある気がしますが、あちらほどのヤマっ気というか売れ線狙いは感じられません。スタッフの「いいものを作りたい!」という想いが感じられますね。
独特な温かみのあるグラフィック、斬新かつ(それなりに)納得のいく戦闘システムと、それぞれの側面に新しい取り組みがあるのですが、それらが実に上品に、どれかひとつの要素だけが悪目立ちしてバランスを崩すことなく、成立しているのでした。それらをまとめるストーリーも..最初はシステム面の興味だけで進められると思っていたのですが、実に水準が高い!気が付いたらかなり引き込まれていたのでした。
個人的には中盤以降の展開..ヒロインの辿る道も開始当初からは全く予想外でしたけど、それよりも何よりも誰かさんの○は普通にショックでした。それにきちんと取り組み、きちんと話を繋げているシナリオの完成度に、つくづく感心させられます。
上記グラフィックとシステムを生かした、非常に多彩な「戦闘」描写も、見事なまでの作りこみです。プレイ当初はなんとなく「このシステムを使ってマルチプレイとかできないかねぇ」とか思っていたのですが、このシステムは非常に作りこまれたシングルプレイでこそ!価値をもつのですね。今はそう思います。
…このゲームをすると、歩兵戦における戦車の重要性が死ぬほど分かります(笑) 一方でゲームとしてのバランスをもたらすため戦車に「弱点」を設定したり、”ラグナイト”なる特殊物質を設定に放り込み、またそれを物語の根幹に繋ぎ得ていたり。全体に作りこみの精度が高い!のですね。
とにかく戦闘が楽しい! 果てしなく勝ち目のなさげな戦場でも、必ず幾つかの(決して解答はひとつではない!)活路がある! それが実にいいのです。
2週目のやりこみ要素もあるようで、今後機会を設けてやってみたいものです。